「修弥はいつも――…笑ってるね」

一緒に帰っているのに、何の話をしたらいいのか分からなくて思わずそんな言葉が出た。

いつもは何を話をしてたんだろう。

「そうか?」

私と一緒にいるときはそんなに笑わないけれど――…その言葉はさすがに発せずにこくりと頷いた。

いつも笑ってるよ。
みんなの中心でみんなと一緒に笑ってる。


修弥も笑っているし、周りの人も笑ってる。


「まー毎日楽しいしなー」

「――…そっか…いいね」

本当に笑っている自覚なんて無いんだろうな。

楽しい毎日、本当に、そんな感じだね。

「お前は楽しくねえの?」


修弥に投げかけられた言葉に、思わず足が止まった。

「――え?」

「え?何?何で?」

私の様子に、聞いてきた修弥の方が戸惑いの表情を見せた。

「あーでもお前最近仏頂面してるしなあ。楽しめよ」

余計なお世話よ。
別に楽しくない訳じゃない。

ただ、楽しいとは言えないけれど…