「やっぱり、修弥君まだ隠してたんだね」
「何、それ」
意味がわからない。
なんのことを言っているの?佐喜子の顔を見つめながら、頭を整理しようとするもなにもつながらない。
だって、あの時は、たまたまだったんじゃないの?あれが、たまたまじゃなかったら…なんなの。
「さすがにいつからか、とかは知らないけど。修弥君、ずっと実結のこと好きだったんだって。
私も直接聞いた訳じゃないし、その時の男子から聞いただけだから…」
佐喜子の話を、私は何も言わずに聞いた。
いや、何も言えなかった、のほうが正しいかもしれない。
チャイムが教室に鳴り響いて、まだ呆然とする私に佐喜子が私の肩に軽く手を置いて告げる。
「ちゃんと1回、聞いてみたら?」
何を――聞けばいいの?
何て、聞けばいいの。
イスに座ったまま、頭の中が未だごちゃごちゃしてて何もわからない。