「これ、ほんとは言っちゃダメだって言われてたんだけど――…」

私が涙を堪えて黙っていると、佐喜子がすこし、意を決したように話し始めた。


「私たちは、みんな知ってるよ。修弥君が、実結を好きなこと」

私たち…?って誰?

顔を上げて止まる私に、佐喜子が目の前の席を引いて腰を下ろした。


「中学校の時、修弥くんと実結が付き合ったときのこと、覚えてるよね?」

付き合ったときの事って…あの、冷やかしのこと?



「あれ、修弥君が仕組んだんだよ」




――え?





佐喜子の言葉に目を丸くすると、佐喜子は私を見て困ったように笑った。