(医学書?循環器?難病?)
ボクが本を手にしてタイトルをマジマジと見ていると、
「うん。多分その本だと思うわよ。」
と言った。
「これは・・・、難病って・・・、どういう本ですか?」
ボクの疑問にオバサンは「あぁ」と言った。
「その本は最近入荷したのよ。ここ半年くらい前かな?難しそうだけど、循環器系の難病についてわかりやすく書いてあるわよ。高校生でも読めるくらい」
そして更に続けた。
「その本を読んでる子って、あなたと一緒にいるあの子だけだと思うわよ。だから、どのページを読んでるかすぐわかるんじゃないかしら?ほら」
本は読み手のクセがついてるみたいにあっさりとページが開かれた。
「多分、そのページね。じゃぁ、ごゆっくり」
オバサンはまた自分の場所に戻って行った。
ボクはその本を手に、いつもルウコが座る席へついた。
どうしてこんな本を読んでいるんだろう・・・?
どうしていつもボクが来ると閉じて隠してしまうんだろう?
ボクはルウコの秘密をこっそり覗いてしまうような罪悪感を感じながらも、ページを目で追った。