読み終えるとツナミは「うーん、やっぱり何書いてるかわかんない」と言った。
ボクはそれを聞いて笑ってしまった。
「わかるわけないだろ。これはツナミがもっともっと大きくならなきゃ理解できないよ」
「ねぇ、最後の何だっけ?あれ何語?」
「あぁ『You are the meaning that I live for』?あれは英語」
「外国の言葉?父ちゃん外国の人なの?」
「違うよ。どんな意味かは大人になって自分で調べてください」
ボクはそう言って手紙を封筒にしまうと、通帳などがある棚へ入れた。
「さて、ツナミ。そろそろ寝る準備しないと明日幼稚園に寝坊するぞ」
ツナミの背中を押してツナミを部屋へ連れて行く。
幼稚園の連絡帳を見ながら明日必要なものをチェックする。
「えーと、着替え?後は色鉛筆ね」
着替えを出して、幼稚園のバッグに入れる。色鉛筆も。
「何で着替えいるんだろう?」
ボクが首を傾げると、「発表会の練習あるの」と答えが返ってくる。
「ふーん。なるほどね。で、ツナミのクラスは何やるの?」
「白雪姫!ツナミは小人の役なんだよ」
ボクは声を出して笑ってしまった。
「何で笑うの?」
「いや、白雪姫にはなれなかったんだなーって思って」
「いいの!ツナミは小人さん大好きだもん」
ツナミの顔はボクよりルウコに似ている。
結構、親だという事を抜いても可愛いはずだと思う。でも、「あの柏木さん」の娘でも白雪姫にはなれないんだな。