最後のお別れの時、みんながルウコの棺に花を次々と入れていく中、ボクは2つ分の紙袋を持ってきた。


「それ・・・何?」


泣きすぎて目を真っ赤にしている明日香がボクに聞いてきた。


「ルウコとの約束だから」


ボクはそう言うと、紙袋から次々と青い封筒を取り出して棺の中へ入れていった。




ボクが書いた手紙。


高2のあの時、下駄箱に入っていた手紙から始まったボクらの歴史。




青い封筒は何通あるかわからない。


でも無言でボクはどんどん棺に入れていった。


弔問客も葬儀屋もそんなボクを唖然として見ていた。



「ソウ、手伝うか?」


幹太が言ってくれたけどボクは首を振った。


「父ちゃん・・・泣いてるの?」


ツナミがボクのスーツの裾を掴んだ。


封筒を棺に入れているボクの目からはボロボロと涙がこぼれていた。





ボクとルウコの約10年間の歴史。


ボクが書いた手紙と一緒に焼かれてしまってルウコは消えてしまう。



この間書いた最後の一通を棺の中央に静かに置くと、ボクを我慢が出来なくてしゃがみ込んで泣いてしまった。