それから数日後、ルウコはこの世を去った。
例えば、最後に何か言ってくれるとか息を引き取る瞬間を見るとか、そんな事は一切なかった。
朝に目が覚めるとツナミが「ママが起きない」と言って慌ててナースコールで呼んだけど、ルウコはツナミと一緒に寝たまま、そのまま息を引き取った。
「そうか・・・逝っちゃったんだな・・・」
ボクが呟くと、ツナミは何度もどうして?を繰り返していた。
「父ちゃん、ママどうしちゃったの?」
「ん?ママはね天使になっちゃった。お空からツナミの事をちゃんと見てるから」
そう説明しても、ベッドに横たわっているルウコを何度も何度もゆすって
「ママ、朝だよ。起きないとダメだよ」
と泣きながら繰り返していた。
ルウコがいない・・・・。
ボクの世界はモノクロになった。