翌日、ルウコが笑顔で手紙を渡してきた。


「これはツナミへのお手紙」


黄色の封筒には「繋美へ」と書いてある。


「これ、何て書いてあるの?」


「繋美。ツナミの名前だよ。漢字ではそう書くんだよ」


「ふーん」


ツナミは封筒から便箋を出した「うわ!いっぱいある」と喜んだ。

ボクから見ても、4枚くらいはありそうだ。


「でも、何て書いてあるかわかんないよ。難しい字がいっぱいだよ」


「うん。大人になっても読めるように難しい字で書いたの。お父さんに読んでもらってね。それから、これは絶対約束してほしいんだけど」


ルウコはツナミの目をしっかり見て言った。


「このお手紙、絶対になくさないでね。ツナミが大きくなるまではお父さんに預かってもらっててね」


「わかった」


ツナミは頷いた。

それを見てルウコは笑顔になる。


「はい、ソウちゃん」


ボクには白い封筒を渡してきた。


「今まで白い便箋で書いた事って実はなかったのよね」


「そうかもな」


ボクもジーンズのポケットに突っ込んでいた手紙を渡した。

ツナミがくれた青い封筒。


「手紙を交換するって初めてね」


「そうだな。下駄箱ないからな」


ボクは笑顔で言った。