それからツナミはたくさん質問をしてきた。
ボクよりもルウコがそれに答えている。
それを見てボクは胸が痛くなった。
ルウコは少しでも自分の事を、そしてボクとルウコの歴史を忘れないでほしいと思ってツナミに話をしている。
まだ4歳のツナミがそれを覚えていられるのはちょっと難しいかもしれない。
笑顔で色々話しているルウコから「忘れないで」という気持ちがイヤというほど伝わってくる。
「ママと父ちゃんってどうして結婚したの?」
「ママとお父さんはずーっとお手紙を交換していたの。今もしてるけど」
その言葉でツナミは「あ!」と言った。
「ママ、いっつもお手紙書いてる人って父ちゃんだったの?」
「うん」
ルウコは頷いた。
「・・・父ちゃんからお返事ちゃんとくる?」
かなり疑わしそうな声だ。
「くるよ。お父さんは青い紙でお手紙を書いてくれるの。ママ、お父さんのお手紙大好きなんだよ」
「父ちゃんもママのお手紙好き?」
「そうだな。大好きだよ」
ボクが言うと、ツナミは嬉しそうに笑った。
「ねー、ママと父ちゃんにツナミもお手紙書いてもいい?」