「そろそろ、手紙の話をしなきゃいけないと思って」


ルウコの言葉は意外だった。


「手紙の話?どういう意味?」


「・・・あたしが最初に手紙を書いた日からずっと決めていた事があったの」


「うん」


「何でこの時代に手紙なんだって思うかもしれなかったけど理由があるのよ」


ルウコは愛おしそうにお腹をさすった。


「・・・まだ、この子が生まれて元気に育つまでは生きていたいと思う。ずっと、でもあたしがどうなるかは今でもわからない」


「だかたね、もしあたしの命が終わってしまったら・・・ソウちゃんからの手紙を棺に入れて一緒に火葬してほしい」


「え・・・?」


ボクが絶句していてもツウコは続けた。


「でもあたしの手紙は捨てないで。いつかこの子が大きくなったら読んであげてほしいの。あたしが幸せだった事わかってほしい」


「そんな事、急に言うなよ」


「急にじゃないわ。17歳からずっと思ってた事だもん」