みんなでカラオケに行くことになって、部屋では幹太と明日香がどっちが先に歌うかケンカをしていた。

それを見てミサはゲラゲラ笑っている。



何でボクの周りにいる女の子ってこんな半分オヤジみたいなのが多いんだ?



隣に座っているルウコを見る。


「ソウちゃん、何歌う?あたしソウちゃんの歌聴くの初めて」


ニコニコ笑顔で言うルウコの方が女の子としておかしいのか?と思ってしまった。


「オレ?歌苦手なんだよ。ルウコは何歌うの?」


「あはは、実はあたしもカラオケって苦手」


結局は3人の歌をぼんやり聴いている事になってしまった。



「ルウコちゃん、つまらなくない?」


ミサがルウコに聞いた。


「全然、楽しいよ。ミサちゃんも明日香も幹太くんもすっごく面白いから」


ルウコは笑顔で答えている。

でも・・・。

何だろう、何か様子がおかしい。本人は気づいていないかもしれないけど、顔色があまり良くない。


「ソウちゃん、あたし飲み物頼むけど何か飲む?」


そう言ってルウコは立ち上がったけど「あれ?」と言った。

そのままズルズルと倒れこんだ。


「ルウコ!!」


ボクがルウコを抱きかかえて呼んでも目が閉じられていて動かない。


固まっている3人に怒鳴りつけた。


「救急車!!早くしろ!!」