夕食にはなぜかいつもは遅いはずの親父までいて、興味津々でルウコに話しかけていた。


ルウコはそれなりに楽しそうに見えたけど・・・


(うちの家族は何なんだ!?)


ボクはため息の連続だった。



「ごちそう様でした」


ルウコが笑顔で箸を置くと、母親が「大丈夫だったかしら?」と言った。


「え?」


ルウコがキョトンとしている。


「ソウが、ルウコちゃんはカロリーが高い食べ物は苦手って言ってたから」


母親の言葉を聞いて、ルウコは微笑んだ。


「大丈夫です。お気遣いありがとうございます」


ボクは内心(余計な事言うなよ)と母親に思っていたけど、ルウコはちょっと間をあけてから喋り始めた。


「あたし、心臓病なんです」


食堂テーブルに座っていたボクの家族全員が固まった。

ボクもまさかルウコがそんな事言うとは思わなくてビックリした。



「え・・・?心臓?それって大丈夫・・・なの?」


姉貴がしどろもどろになりながら聞いた。

ルウコはニコリと笑ったまま、首を振った。


「治らないです。それに、食事とか色々気をつけないといけなくて・・・。ソウくんには本当に心配ばっかりかけてしまっているんです」


ボクを見て、今度はボクの家族に視線を戻した。


「あたしがこんな身体なので、ソウくんには沢山迷惑をかけてしまって、すいません」


そう言って頭を下げた。