何曲かカバーの曲を歌って、その中には女の人の曲もあったりで意外だけどすごくいいステージだと思った。
ルウコはずーっと目線をステージに向けて、その目はウルウルしている。
(本当に大好きなんだな)
そう思ってちょっと笑ってしまった。
『えー・・・最後の曲になります。この曲は普段はめっちゃ早い曲なんですけど、今回はスローバラードバージョンなんで、誰か大切な人を思って聴いてくれると嬉しいです。今日はありがとうございました』
ギターが鳴って、演奏し始めたのはライブでも一番盛り上がる曲。
男のボクは騒いで楽しんでるけど、女の子は歌詞にやられて泣く子が多い。
確かに歌詞は希望を歌っていて、いい曲だと思う。
ルウコが繋いでいた手に力をこめた。
「ん?」
ボクが聞き返すと、もうすでに涙ボロボロになっていて
「この曲・・・ソウちゃんとの思い出の曲になったね」
と消えそうな声で呟いた。
歌詞は、「未来は美しくもあり残酷な時もあるけど、希望は必ずどこかにある」
そんなような歌詞。
ボクとルウコにも未来はある?
それは美しい未来?