「何?どうした?」

サトはあたしが見た事に全く気づいてない様子だった。

「あたしね、彼氏出来たの」

昨日、あたしはその他校の男子生徒にOKの返事をした。

「は?彼氏?どういう事?」

「サト、地下街で女の子といたでしょ?手を繋いで」

あたしの言葉に沈黙。

「あたしずーっと待ってたけど、サトはあたしを見てくれなかった。あれは彼女?」

「いや、違う。遊び友達。それより彼氏って・・・誰?」

「サトの知らない人。学校違うし。あたしね、疲れたの。サトが大好きで、すーっと待っててで、でもサトの気持ちわかんなくて・・・だったら、あたしを好きでいてくれる人と一緒にいようって決めたの」

サトは珍しく怒り口調で言った。

「お前、それってちょっと違うくね?うーちんはその男好きじゃないんだろ?」

「好きになるの!」

「オレは間違えてると思う」

「だったらさ、教えてよ。彼氏出来たんだからサトの本当の気持ち、今なら言えるでしょ?教えてよ」

サトは黙っていた。

「あたし、もう決めちゃったの。だから、最後くらい本当の気持ち教えて」


サトはため息をついた。

「何でそんな事するんだよ。・・・、わかった。言うよ。何か無意識にうーちんの電話にいつもかけてて、最初に電話したのもうーちんの事気になったからだよ。で、うーちんの単純な面は可愛かったし、悩んでたら助けてあげたいって思ってた。大事だよ。すっごい大事」

たしはサトの言葉に涙が出た。

「オレとうーちん、恋愛下手くそだよな。でも、オレはうーちんとの気持ち、何度も繰り返すと思う。だって、今オレはうーちんが好きだから」


あたし達は不器用だ。
お互いに相手が出来なきゃ本心を言えないんだから。


あたしは何度も何度もこの陽だまりみたいな、あの時屋上で気持ちよかった空間みたいなこの人を今でも世界一好きで、何度も何度ももっと好きになる。