飲み会の帰り、終電のJRを降りてあたしは我ながらすごい酔っ払ってるなー、と自分に感心した。

「志村けんのコントみたい」

1人でケタケタ笑いながら歩いてようやく家に到着した。

部屋に入った途端に携帯が鳴った。

「はーい?」

あたしはヘロヘロのまま電話に出た。

「うーちん?酔ってる?」

声の主はサト。

「え?酔ってるけど別に関係ないじゃん」

「まぁ、そうだけど・・・、大丈夫?」

ちょっと心配そうな声。

「忙しくて全然連絡できなくてごめんな」

「そうみたいね。サトは忙しかったけど、あたしはずーっとサトの事待ってたけどね」

電話越しにサトがタバコを吸っているのが聞こえた。

何だか無償に腹が立って、あたしは自分の感情のままに話した。

「サトはズルイよ。思わせぶりな事ばっかりして、言って、いつもあたしを混乱させるじゃん。そんな事したらあたしがサトを好きになるくらいわかるでしょ」

「え?」

ビックリした声。


あ・・・!!

あたしは感情に任せて、自分の気持ちを言ってしまった事に気がついた。

「好きって・・・、何?うーちんがオレの事好きって話?」

(え!?気づいてなかったの!?)

酔いが一気に冷めた。

「そうなの?」

サトの言葉に詰まってしまう。

どうしよう・・・、これはもう、言うしかない!!


「そうだよ。気づかなかった?あたしがサトの事好きだって。すっごく好きだってわかんなかった?」

サトはしばらく黙っていた。

あたしはその沈黙に耐えられなくなった。

「もういい。わかってなかったんだからもういいよ!」

そう言って電話を切った。