「お前・・・!!」

今にも殴りかかりそうなヒロを花くんが「2人とも!ここ街の中だから!」と抑えた。

あたしもヒロも怒りで息が上がっている。

「・・・何が親友だよ。ふざけんな。いつも相談乗ってくれるんじゃなかったの?」

あたしが言うとヒロはちょっと悲しそうな顔になった。

「とにかく!」花くんが言った。

「ここ、道の真ん中だし、相当目立ってるし、どっか店入ろう」


花くんの言葉に一応あたし達は静かになった。



「カッコイイ・・・」

突然、この場には全然不釣合いな言葉が聞こえた。

「はい?」3人でその声の方を見ると、チイが目をキラキラさせてヒロを見ている。

ヒロはチイをジーっと見てからあたしに言った。

「この小猿は何だ?」

「え?」あたしが説明しようとする前にチイがヒロの前に出た。

「チイです。うららの後輩です。彼女いてもいいです、チイの事好きになって下さい」

「は?」また3人の声が揃った。

チイはあたしをバンバン叩いた。

「うらら、何でこんなカッコイイ友達いるって教えてくれないのさ」

「チイ?え?ヒロの事?」

あたしが困っているとヒロは呆れながら言った。

「おい、小猿。オレは今、うららと大事な話あって忙しいんだよ。お前と話してるヒマねーんだわ」

チイはニコと笑っている。

「全然平気っす!話終わるの待ってるから。さっさと話終わらせて下さいね」

あたし達3人は困った顔になった。

チイにすっかりペースを乱されたからヒロと話は「電話するわ」というヒロの言葉で終わった。