おばさんはしばらく考えてた。
そして話し始めた。

「おばさんは家族で移るべきだと思うな。うららのお母さんは昔からキチっとした人で、うららにも厳しいみたいだけど、その分、家族をすごく大事にしてる。今回の事もすごく悩んだんだろうなって思うよ。うららの気持ちを思ったら残酷な事だけど、あと2年我慢すれば社会人になって戻ってこれるんだよ。家族がバラバラは悲しいよ」

「そうかな・・・」

「2年なんてあっという間でしょ」

背中をポンと押されると、さっきまでの怒りとか歯がゆい気持ちが少し治まった気がする。


「あれ?うらら、何でウチにいるの?」

ユキが不思議そうに帰ってきた。

あたしが黙っていると「ちゃんと自分の口でいいなさい」とおばさんが言った。

「何?どうしたの?深刻じゃん」

ユキはあたしのお茶を取って一口飲んだ。

「あたしさ、転校するんだよね」

あたしは明るく言った。

「もー、いきなり親に言われてビックリしてさ、イヤだけどしょうがないっていうか・・・、ユキ?」

ユキがわっと泣き出した。

「何それ?そんな事急に言われても・・・あたしヤダよぉ」

わんわんと泣くユキにあたしはビックリした。

「いや、ユキ?泣きたいのはあたしの方なんだけどさ・・・」

ユキはその後1時間泣きっぱなしだった。