「まぁ、泣くな。その代わりにオレの友達紹介してやるから仲良くしろよ」

「まだ泣いてない・・・、え?ちょっ・・・、いや困る!!」
あたしは慌てて立ち上がって廊下に出た。

彼はヤンキー仲間にあたしの話をしている。

(ギャーーー!!!!やめてぇー!!!)

グイっと腕を引っ張られてヤンキー集団の前に出された。

「これ、前同じクラスだった『うらら』。変な名前だろ?友達だから仲良くしてやってくれや」

こんな集団のヤンキーにガン見されるの初めてなんでけど・・・

その中で、いや、学年一無口なヤンキーがあたしを凝視している。

(何でしょう・・・?殺されるのでしょうか?)

凝視されてる間に、軽そうな人が「あ!」と言った。

「うららチャン?サクヤくんの妹じゃない?」

「は?」

確かにサクヤはあたしの3コ上の兄の事ですが・・・

「オレらのたまり場の家って、サクヤくんの友達の弟の家なんだよ。だから、サクヤくんとはみんな会ってるし、コイツなんてサクヤくんにギターを教えてもらった事あるんだよ」

そのコイツが、あたしを凝視している無口ヤンキー。

「あ、ちなみにオレもコイツもうららチャンとは違うクラスなんだ。残念」

(いや、残念じゃないから気にしないで!)

「オレら、このクラスだわ」

また声が聞こえてそっちを見た。

(ギャーーーーー!!超ヤンキーじゃん)

顔はキレイな顔なんだけど、その超ヤンキーぶりで残念な結果になっている。
もう1人は、見た目は全然ヤンキーじゃなくて、普通に茶色っぽいサラサラヘアーでピアスをしている。でも、やっぱり目つきが・・・・ヤンキー・・・

「うらら、まぁヨロシクな。オレあんまり学校こねーけど」

超ヤンキーの挨拶に、「あぁ、そうなんだ。よろしく。あはは」
と無理矢理笑って答えた。


でも、ヤンキー仲間でも力関係があるのか、同じクラスだったヤンキーが声を掛けたらあっさり話しかけられたし。コイツもどヤンキーだし、学年で一番強いとか言われてたから、そういうのも関係してるのかな?


あたしの新しいクラスの友達?候補は、
顔がキレイな超ヤンキーな「若葉」。
見た目はオシャレ不良な「ヒロ」