「心臓病?」


循環器のあたしの担当医はあたしの疑問にうなずいた。


「先ほど、ご両親にも確認しましたが、先天性ではないです。今まで健康診断で心電図などで引っかかった事はありますか?」


「・・・ありません」


「QT延長症候群って知ってますか?」



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※家族性突然死症候群(QT延長症候群)とは

突然、脈が乱れて立ち眩みや意識を失う発作が起こる遺伝性の病気です。意識を失う発作が止まらない場合は死亡することがあります。しかし、発作がないときは自覚症状は全くありません。また、検査をしても心電図のQTといわれる波形の部分が正常に比べて長い以外は異常が見つかりません。このような心電図の特徴からこの病気は「QT延長症候群」と呼ばれています。


(難病サイトよりの抜粋です)


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「この病気のほとんどは遺伝なのですが・・・、まれにあなたのようなストレス性から突然なる方もいます。あなたの場合は自律神経失調症とパニック障害、睡眠障害が併発されて合併して発病したと思われます」



「これまでの病歴を見ますと・・・、突発性難聴になっていますよね?この時あたりから三半規管のバランスは既に崩れていて、脳にまで血液を正常に送ることが困難になっていたのでは、と考えられます」



確かにあたしは24歳の時に突発性難聴になって、左耳がほとんど聴こえなくなった。

でも、それはストレスで治療をして聴力は7割方戻っていた。

あくまでも7割だけで、それ以上は戻せないと言われたが生活に支障はなかった。




そんな事よりも・・・


あたしは頭が真っ白になった。