(何で!?)


あたしは走って教室から出た。

勢いよく階段を降りる。最後の段なんてほとんどジャンプしてた。



1階の女子更衣室の前。

はぁはぁと息を切らしてその場にうずくまる。



「うっ・・・・」

ようやく涙が出てきた。



「ヒロぉ・・・」

何でこんな事になってんの?
あたしわかんないよ。



しゃっくり上げて泣いてると・・・

「ヒロじゃないけど?」

と頭の上から声がした。



「ヨシコ・・・?」



小学校からの友達で、やっぱちょっとヤンキーっぽいけど大人びたヨシコが
あたしを見下ろしてる。


「どうしたの?」

あたしの横に座ってポンポンと優しく肩を叩く。

涙をボロボロ流しながらヨシコを見た。


「ん?何かあった?」


ヨシコの優しい笑顔に思わずヨシコに抱きついた。

ヨシコは何も言わないで、あたしの背中をさすってくれた。


「ヒロじゃなくてごめんね」

ヨシコはクスクス笑いながら言った。