「まぁ、あたしだって彼氏いるんだから襲われたりするなんて事ないと思うけどね」


あたしはグーグー寝てるモリを見ながら言った。


「でも、守らなきゃって思ったんじゃない?ヒロの事を知ってから余計に」


ユキは寝ているモリを足で軽く蹴りながら言った。


「モリにとってもヒロはすごい大事だったと思うし、そのヒロがあんたの事を大事にしてたって知ったからさ、ヒロが心配しないように、うららが傷つかないようにしなきゃって思ったんだと思うよ」


「うん」


あたしはうなずく。

ユキはあたしの方を見てちょっと笑った。

「何?」


「うららは今幸せなのかな?って思った」


あたしはちょっと考えた。
それからユキに笑顔で言った。


「幸せだよ。大切な人がいて、その人との未来も考えてて、いっぱい辛いことはあったけど、そこにはヒロがいつもいて・・・、でも、こうやって帰ってこれて、ヒロと向き合えてさ。それってやっぱりモリのお陰かな?」


「モリの事、恋愛対象としては見てないの?」


「うん。それはモリだって同じじゃない?何だろうね、モリはヒロ代理って感じかな?だからモリも大事だよ。頑張ってほしいもん。でも、あたしにはモリに何かしてあげる力も何もないし。あたしはあたしの人生があるし、今の恋人との生活を大事にしたいんだよね」


ユキはあたしの頭を優しく撫でた。


「うらら、幸せになりなさいよ。不幸になったらヒロ、泣いちゃうよ」


あたしはユキを見て笑顔でうなずいた。