あたしのクラスはキチンと教室として使われていた。

「中に入っていいですか?」

あたしが聞くと、先生は「どうぞ」と言った。

あたしは記憶にある自分の席に座ってみた。
教室の中は何一つ変わっていなかった。

モリはそんなあたしを笑顔で見てる。

「あたしね、こうやっていつも、つまんねーなって思って座ってたの」

机の上に突っ伏してみる。

ちょっと離れた斜め後ろを振り返る。
そこはヒロの席だった。


「オレのクラスどうなってるかなー」

教室を出て、モリは自分のクラスだった場所へ歩いた。


モリのクラスは・・・・

「吹奏楽部の部室!?何だそれ!?」

2クラス分をぶち抜いて吹奏楽部の部室になっていた。
あたしはそれを見て爆笑した。

あからさまにガッカリしているモリに先生は

「一応、中に入ってみますか?」

と言った。

モリは不服そうな顔をしてたけど、中に入れてもらう事にした。


「あ」

かつての教室。現在は部室だけど、モリは窓側に向かった。

「オレ、ここだった席。窓からこの景色見てた」

モリの曲の中に学校が出てくる歌がある。

「この景色思い出して曲作ったんだ」

「へー」

あたしも一緒に窓から外の景色を見た。

学校特有の白いカーテンがヒラヒラ揺れていた。