「うらら、ほら手紙」

あたしはバッグから手紙を出して、ヒロの仏壇に置いた。
そして、もう一度ゆっくり手を合わせた。



お礼を言って帰ろうとすると、お父さんが「ちょっと」と声を掛けた。
仏壇の引き出しを開けて「やっぱりだ。後2枚しかない」と言った。
そして、あたしとモリに小さな封筒を渡した。
中には、ヒロの遺影をテレホンカードにしたものが入っていた。

「後2枚だけあった。他はみんな渡したんだけど。あんたらの事待ってたんだな」

帰る前にもう一度ヒロの部屋を見た。


多分、もう二度とここへくる事はないと思う。


でも、あたしはずっと怖くて逃げていたお墓参りが出来た。
これからはお墓参りには行ける。
だからいつでもヒロに会える。
もう怖くない。苦しくはない。

そうしてくれたのはモリ。
あたしはモリに心から感謝した。




「さてと」

またハンドルを握ってモリが言った。

「どうする?」

まだ真昼間でユキが来るには随分時間がある。

「なぁ、オレらの中学に行ってみない?」

モリは言った。

「えー、入れてくれるの?」

あたしはビックリした。

「今、ちょうど春休みだし、卒業生って言えば何とかなるかもよ」

車はヒロの家から5分もしないであたし達の中学に到着した。