「あのね、あの当時のあたしとはたとえモリでも付き合えません」


「何でだよ?」


「だって、あたしには・・・」

あたしは「ヒロがいたから」と言いかけて口をつぐんでしまった。



「ヒロのガードは鉄壁だからな。オレがうららに近づいたら本気で怒る」

あたしの言葉がわかったように笑っている。



「なぁ、聞いてもいい?」


水割りを飲むあたしにモリは言った。あたしは目だけで「何?」と伝えた。


「うららとヒロって付き合ってた?」



ぶっ!!水割りを吹き出した。

モリはタオルを持ってきて、「汚ねーなー」と言った。



「何!?何でそうなるの?」

「お前ら仲良すぎだったじゃん。男と女だぞ?変じゃね?」

「え?何が?」

あたしは不思議そうにモリを見た。

「男女の友情って存在すると思う?」

「思うよ。だってあたしとヒロは親友だもん」



しばらく迷ったけど、この人はヒロの「最高の友達」。

だから、あたしは今まで誰にも話さなかった、ヒロとの出来事をゆっくり話し始めた。