ビールを何缶も開けて、買ってきた焼酎を水割りにしながら飲んでいると、あたしもモリもすっかりベロベロに酔っ払っていた。


中学の頃の話をして2人でテーブルをバンバン叩いて笑った。


「おっかしー・・・。あたし、何で中学の時からモリと友達になれなかったんだろ」

お腹を押さえて笑いながら言った。

「だよな、オレら絶対仲良くなれてたよなー」

タバコに火をつけてモリが続ける。

「で、お前はオレに恋をする。って感じだな?」

「はぁ~?」

あたしはまた笑い出した。


「ない、絶対にない」

「何でだよ?」

「だって、ヤンキー嫌いだもん」

モリはムスっとした顔をした。


「お前、さっきからヤンキーって。恥ずかしい過去なんだからやめれよ!」

「事実ですー。事実を言ったまでですよ」

「あのなー、オレこう見えてモテるんだぞ?」


へー、やる気のない返事を返す。

「オレってバンドマンだしかっこよくない?」


あたしはモリの顔をマジマジと見た。

モリはニコニコしてる。


「うーん。別に、かっこよくないよ。遠目で見るとそう見えるかな?100mくらい先から」


「むかつくな、お前」

ほっぺをギューって引っ張られた。
「痛い、痛い」と言うあたしをモリがジーと見る。

「中学の時だったら、お前に告られてたら付き合ってたかも」

「はい?」

ほっぺをさすりながら聞き返した。