ヒロの言う「作戦」当日。

あたし、ヒロ、ヤスくんはなぜか西の部屋に来ていた。

何で西の家かと言うと、単純にみんなの家の中心にあるっていう理由。

西の家は小学校の時、結構遊びに来ていた。
何だか懐かしい。

・・・・なーんて感傷に浸ってるヒマはあたしにはない!!

カバンに入れた「例の物」が気になってしょうがない。

「いやー、集まってもらって悪いけど緊張するわ」

ヒロは西のベッドに寝転がりながらクッションを抱えていた。

「でも、意外だけど嬉しいよ」

ヤスくんはジュースを飲みながら笑顔で言った。

「ヒロがりっちゃんを好きな事、オレにも相談してくれて。りっちゃんとは同じ部活だし、いい子だからヒロと上手くいってほしいよな」

あたしの方に爽やか笑顔で振り向いたのでビックリした。

「え?あ、そうだね。上手くいってほしいね。ヒロにはもったいないけどさ、あははは」

まぬけな返事をしてしまった。

「さて・・・・」

ヒロは起き上がって、西の部屋にある電話を手元に引っ張ってきた。

「じゃ、みんなはいないって事で。よろしくな!」

要するに、あたし達に今から告白するのを見守れというわけだ。

「自分の家で1人でやればいいのに・・・」

西がボソっと言った。

「バカ!振られたらなぐさめるのがお前らの役割なんだよ!だから呼んだんだよ!わかれよ、バーカ」

「呼んだって・・・、ここ、オレの家なんだけどな」

また西がボソっと呟いた。

ヒロは一息ついて、受話器を取った。