何ヶ月か経って、季節は秋に向かおうとしていた。

「オレ、りっちゃんに告白するわ」

突然、ヒロからそんな電話がきた。

ヒロとりっちゃんはというと、花火以来、何度か電話で話したり、ヒロが声を掛けて2、3回一緒に下校したみたいだ。

休み時間にりっちゃんも「ヒロ、優しいよね」と言っていた。
案外脈はありそうだ、とあたしはヒロに伝えていた。

「とうとう告白するのかー」

あたしは風呂上りでタオルで頭をゴシゴシしながら、ちょっと嬉しかった。
ヒロが一生懸命りっちゃんに対して頑張っていたから。

「だからさ、お前もヤスに告白すれよ」

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「はぁ!?」

あたしは、お母さんに「うるさい!」と怒鳴られるくらい大声を出した。

「え、え、え、何で?何で、あたしまで告白!?合同告白?何それ」

「オレに考えがあるんだよ」

ヒロはふふーん♪と鼻歌でも歌いそうな感じで言った。

「考えって・・・、アンタ、自分の告白にあたしまで巻き込むってのはどうよ」

「いやー、お前もいつまでも体育館覗いたり、委員会一緒だからってヘラヘラしてる場合じゃねぇぞ!って意味で告白しろ」

「関係ないし。ヒロの告白にあたしのは全然関係ないじゃん!」

「早くしないとヤス彼女出来ちゃうかもよ?」

「え?」

「この間、塾に可愛い子がいるって話してたぞー、ヤバイぞー、振られるぞ」

「ウソ!?あたし聞いてないよ!」

「そりゃ、初めて言いますから。オレね、口は堅い方なの。うららがちっとも努力しねーから言っちゃった。だから、オレに考えがあるって事で聞け」


「えー・・・・。一応聞くけどさ・・・・」

あたしは頭を拭いていたバスタオルを放り投げた。