『お前を理解してくれるヤツがちゃんとお前を幸せにしてくれるから。そんな報告を一番にもらえると嬉しいけどな。親友だし』


報告・・・出来ないでしょ?
そんなところにいたら報告出来ないじゃん。


涙が出そうになった。
あたしは拳を握り締めて必死に堪えた。


だって泣いたら認めてしまう・・・
ヒロが死んだって認めてしまうから。


ヒロが死ぬわけないよ。
チイがいるでしょ?
あたしがいるじゃん。
あたし、まだまだダメなヤツだからさ、死んじゃったりしたら困るよ。


ヒロの友達はみんな泣いてるみたいだ。
泣き声があちこちから聞こえてくる。


(やめてよ・・・、泣かないでよ・・・)

耳を塞ぎたくなる。

違うってば、ヒロは死んでないんだって、どうしてわからないの?

誰か「違うよ。これは夢なんだよ」って言ってよ。


泣くな、泣くなあたし!

これは現実じゃないんだから泣いたらダメなんだってば!!


お通夜の間、あたしは涙が出ないようにずっと歯を食いしばってた。