能面令嬢と闇の当主 〜愛のない契約結婚のはずでした〜


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治安会へ行くと、門のところで護が待っていた。
二人を見つけるなり、会釈した。

「こんにちは。白花嬢、黒宮くん」
「こんにちは…」

白花の挨拶にだけ頷くと、護はさっさと歩き出した。

「あの、朔さん…」

朔に興味のない護の反応にいたたまれなくなり、声をかけた。

「気にしないでください。そういうお方です」

それだけ告げると、護に連れられたのは医療隊手当場。
ドアを開ければ、いつもは男性の隊員ばかりだが淡い藤色の着物を着た女性がいた。
袖を襷掛けし、治療に集中している。
その姿は、見惚れるものだった。

(この方が…藤乃様…)

手際の良い姿につい見入っていると、その視線に気づいた女性が白花にニコッと微笑みかけた。
優しく微笑むその表情に、思わず胸が高鳴った。
治療を終えた藤乃が白花に歩み寄った。

「初めまして。貴女が…命の加護者の黒宮 白花さん?」

微笑みを浮かべ、小首を傾げる藤乃にこくりと頷いた。

「は、はいっ…私、黒宮 白花と申します」

返事をすれば、ぱぁっと明るくなる表情。

「清谷様からお話、伺いました。私にできる事なら、協力致します。嬉しいです。加護者の方のお力になれるなんて」

彼女の言葉を聞いたことで、不安は一蹴された。