「それにしても…十二年前に命の加護者は継承せず亡くなったと聞いていましたが、どのようにしてその加護を手に入れたのです?」
「っ…」
護は興味本位で尋ねたが、白花は言葉が出なかった。
白花は自分に命の加護が継承されていた事を知らなかった。
白花が気まずそうに視線を逸らすと、朔が間に入った。
「清谷様。その話は控えてもらえませんか?」
「何故だ。皆、探していただろう? 命の加護はどうなった、と。現場に疎い私でも、反国勢力が息巻いていることは耳にしている」
「今は、そのお話はよろしいではありませんか。このように命の加護者が見つかったのですから。ね? 護さん」
険しい表情で言い合う朔と護の間を仁美が取り持った。
「たしかに。仁美嬢のおっしゃる通り。では、医療隊の手当場に参りましょう」
それ以上追及する事はなく、護は念の為命の加護に関する書類を小脇に抱えて立ち上がり扉の方へ向かった。
「…白花様。大丈夫ですか?」
「え、えぇ…大丈夫です。お気遣い頂き、ありがとうございました」
声が上擦った。
(やはり、他の方は十二年命の加護者が行方をくらましていた事を疑問に思う…私が知らなかったと言うだけでは、済まない話だったんだわ…)
白花が自責の念に苛まれていると、手が震えた。
誰にも気付かれないよう、小さく震えたその手を朔は重ねるように握った。
「…大丈夫です」
「えっ…?」
「…申し訳ありません。なぜか、こうしたら良いのかなと。勝手な事をしてしまいました」
朔も無意識に動いてしまい、戸惑っているように見えた。

