☆☆☆
日が沈み、女中達が朔を部屋まで呼びに行った。
そして、茶の間へ来た朔は目を見開いた後ため息を吐いた。
「…何人で食べるつもりだ」
「白花様が手伝ってくださって、つい…」
「あれも、これも…って、手際の良さに見惚れてしまって」
朔の問いに女中達が言いにくそうに伝えた。
茶の間には、これから大勢の人を集めてパーティーが開かそうなほどの大量の料理が並んでいた。
「…申し訳ありません。私が皆さんに何かする事を…って、ねだってしまったから…」
「いえいえ! 白花様は悪くありませんっ」
「そうです。私達も若い女の子が来たからってついはしゃいじゃって…」
しょんぼりと肩を落とす女中達。
料理をしながら聞いた話では、黒宮家は代々男児ばかりが生まれる男所帯だったという。
そのため、嫁がやって来るとつい嬉しくて色々構ってしまうとの事。
「朔さん。申し訳ありません…食材はすべて、無駄には致しませんので…」
「あぁ、いえ…白花さんは、別に…」
先程立ち聞きしてしまった事もあり、歯切れ悪く言うとふいと視線を逸らした。
(…やってしまったわ。きっと、朔さん…呆れてる)
視線を逸らされると、胸がきゅっと締めつけられた。

