能面令嬢と闇の当主 〜愛のない契約結婚のはずでした〜


「それより帝。彼女の処遇はいかがなさるのですか?」
「処遇ーー正は何を望む」

すると、正はふっと軽く笑った。

「彼女を処し、桜庭家を加護者の系譜から外すべきだと考えます」
「不知火さん…そこまで考えていらっしゃったの?」

富美が正の言葉に目を丸くすれば、外に突風が吹き荒れた。

「正さん…! 先程の帝のお言葉を聞いていなかったのですか! 白花さんが故意に隠していたのではありません…! 白花さんのお祖父様がしたことでしょう!」

穏やかだった仁美が声を荒げれば、立ち上がり白花を庇うように立ちはだかった。

「死人に口なしですよ。だから、今の状況で判断するしかない…お家騒動で責任を取るのは、その家の者です」

正は静かに左手を持ち上げた。
誰もがその動きを目で追う。
パチン――指を鳴らそうとした、その瞬間。
仁美は透明な結界で白花を包み込んだ。
同時に、彼の手は黒い影に包まれた。

「おやめ下さい。不知火様」
「黒宮殿。御三家の分際で、僕に逆らおうと言うのか?」
「おい、正。帝はまだ、お前にどうしたいか、って聞いただけだろう。勝手な事をするな」

正と朔の間に割って入ると、正をなだめる大。