「加護において、世界を揺るがしかねないその力を故意に閉じ込めた…そういうことでしょう。自分の家の利益のために、ね」
正がぼそりと呟く。
その声音には、隠しきれない棘が滲んでいた。
「よしましょう。憶測で物を言ってはいけません。きちんと、白花さんにお話を伺うべきではございませんか?」
二人とは対照的に白花の方を見ながら優しく微笑みかける仁美。
「仁美の言う通り、と申したいところだが、白花は何も知らないーーそうだな?」
帝が尋ねればこくりと頷いた。
「松蔵さん、か…」
剛力が大きな独り言を言えば、帝は小さく頷いた。
松蔵ーー白花の祖父だ。
「なんだ、大は知っていたのか?」
「いえ、先程彼女の姓を聞いて勝手に…点と点が繋がったと申しますか」
淡々と話す剛力 大。
先程までの豪快な男の印象が払拭されそうなほど冷静だ。
「恐らく、何らかの理由があって十二年前に母君から白花に命の加護を授けたのだろう。松蔵なら、不可能とは言い切れない」
「あの爺さんの異能すごかったもんなぁ。まさか、加護を隠せる結界の張り方を知ってたって…当時の歴代最強、だっけ? 御三家も凌ぐって言われてたよな?」
「申し訳ありません。俺はその時、まだその辺りのことは…」
大に尋ねられても朔は首を横に振った。

