「まぁ、貴女が…! さぁ、こちらへお座りになって。皆貴女のお戻りを待っていたのよ」
自分の隣をぽんぽんと叩く仁美。
「ちょっと! そこは剛力さんのお席でしょう! 私の隣に知らない方なんて嫌ですわっ」
仁美の行動に頬を膨らませる富美。
ツンとした行動と裏腹に、庭の木が枯れ始めた。
「キミ達、よさないかーー帝の前だぞ」
正が注意をすれば、いつの間にか、彼らを見守るように正座していた帝。
一声に、皆が頭を下げた。
一瞬にして賑やかだった空気に緊張感が走った。
「よい。堅苦しいのは嫌いだ。面を上げよーー白花、朔の隣に座りなさい」
「朔…?」
初めて聞く名に戸惑っていると、「こちらへ」と黒宮に声をかけられた。
黒宮 朔の隣に正座をすると帝が口を開いた。
「今日、皆に集まってもらったのは他でもない。十二年ぶりに命の加護者が我々の前に姿を現したからだ。白花、皆に挨拶を」
「は、はい…桜庭白花と申します」
帝に言われ、『桜庭』の姓を名乗った瞬間再び三人の視線が白花に集まった。
「桜庭…ということは、やはり」
富美がぼそりと呟き、白花を見る視線が険しくなった。
遠くで雷鳴が轟く。

