能面令嬢と闇の当主 〜愛のない契約結婚のはずでした〜


「よかった…みなさん、ご無事だったのですね。何かあったのではないかと心配していたのですよ」

世界を優しさで包むような穏やかな表情で迎え入れる女性。
『守護』の加護者・甘楽 仁美(かんら ひとみ)

「甘楽さんのおっしゃる通りです。心穏やかにいなければいけないのに、余計な事しないでいただきたいですわっ」

ふいっと顔を逸らせば、庭の草木がしゅんと萎れた。
しかし、剛力と目が合えば宮殿の庭の草木が蘇り、ぽんぽんぽんと花を咲かせた女性。
『自然』の加護者・緑川 富美(みどりかわ とみ)

「あんまり遅いから、キミ達に良い事が起こるよう指を鳴らせばよかったかな?」

そう言うと、右手の指でパチンと音を出す男性。
『運』の加護者・不知火 正(しらぬい ただし)

「いやぁ、すまんすまん! だが、聞いてくれて! 命の加護者ーー白花ちゃんを連れてきた」

頭をかき、「だはは」と笑いながら白花を紹介した。
三人の視線が一斉に白花に集まった。
誰一人、目を逸らさない。
その視線に戸惑う様子もなく、頭を下げる白花だったが。

(何…? どうしてみなさん、私を見ているの…?)

内心はとても戸惑っていた。