橙色のオーラを全身に纏い、周辺に砂埃を巻き上げながら 疾風のごとく駆け抜ける剛力。
凄まじい風圧に吹き飛ばされないよう、ぎゅっと目を閉じて体をこわばらせた。
「よぉし、着いた! 大丈夫か、嬢ちゃん?」
ゆっくりと目を開けると、首が痛くなるほど見上げる高い城があった。
「はい…私は大丈夫ですけれど、貴方は…?」
本来であれば、広大な敷地の為馬車で移動をする。
しかし、剛力達は定刻を過ぎており白花を抱えて走ってきたのだ。
「オレは全然! 腕力はゴリラ、脚はチーターの加護を借りたんだ…ありがとな」
白花に説明すると、そっと目を閉じて礼を伝える剛力。
同時に、橙色のオーラが静かに消えた。
「さぁて、黒宮殿は…あ! いたいた」
「剛力様。命の加護者様…参りましょう」
宮城の入口で待っていた黒宮。
黒宮の後に続き、白花は剛力と肩を並べて歩いた。
「そういやお嬢ちゃん。名前は?」
「助けて頂いたにも関わらず、失礼致しました。桜庭 白花と申します」
「桜庭…へぇ」
神妙な面持ちで目を細め、顎に手を添える剛力。
「こちらです。みなさんもうお待ちです」
「…みなさん?」
黒宮の言葉を繰り返す白花。
開いた襖から見えた中に、息を飲んだ。

