「……食べて、明後日から、また頑張らないと……」
今日と明日はしっかり休んで、体調を整えて。
それから……また、あのお妃教育と言う高い壁に立ち向かわなければならない。
今、この場所から逃げ出してしまったら、今度こそ本当に、私の居場所は世界中のどこにもなくなってしまう。
逃げる選択肢はない。
でも、進むのも怖い。
……もし、もう手遅れだったら……?
私がこうして温かいお粥を啜っている間にも、暁臣様は『やはり無理だった』と婚約破棄の手続きを進めているのかもしれない。
そんなはずがない、と言い聞かせても、胸の奥の恐怖だけが先に走る。
せめて茶会までは。
暁臣様から『出て行け』と言い渡されるその瞬間までは、私にできることを。
——そうやって期限を作るのも、結局は怯えているからだ。
息苦しさに耐えかねて、部屋の大きな窓からベランダへと出た。
ひんやりした空気が頬を撫で、胸の奥の熱を少しだけ冷ます。
すぐ隣に見える、暁臣様の私室の窓。
そこには厚手のカーテンが固く閉ざされ、彼の内側を拒絶するように遮っている。
『いつ来てもいい』と言われていたけれど、今の私には、呼ばれてもいないのにその扉を叩く勇気など、欠片も残っていなかった。
叩いた瞬間、拒まれたら。
その一回で、心が折れてしまいそうだから。
プランターに植えられた、可憐な花々の前に腰を下ろす。
土の匂い。葉の瑞々しさ。
指先でそっと触れた花弁の薄さが、私の心みたいに頼りない。
「……いっぱい、咲いてる」
今日と明日はしっかり休んで、体調を整えて。
それから……また、あのお妃教育と言う高い壁に立ち向かわなければならない。
今、この場所から逃げ出してしまったら、今度こそ本当に、私の居場所は世界中のどこにもなくなってしまう。
逃げる選択肢はない。
でも、進むのも怖い。
……もし、もう手遅れだったら……?
私がこうして温かいお粥を啜っている間にも、暁臣様は『やはり無理だった』と婚約破棄の手続きを進めているのかもしれない。
そんなはずがない、と言い聞かせても、胸の奥の恐怖だけが先に走る。
せめて茶会までは。
暁臣様から『出て行け』と言い渡されるその瞬間までは、私にできることを。
——そうやって期限を作るのも、結局は怯えているからだ。
息苦しさに耐えかねて、部屋の大きな窓からベランダへと出た。
ひんやりした空気が頬を撫で、胸の奥の熱を少しだけ冷ます。
すぐ隣に見える、暁臣様の私室の窓。
そこには厚手のカーテンが固く閉ざされ、彼の内側を拒絶するように遮っている。
『いつ来てもいい』と言われていたけれど、今の私には、呼ばれてもいないのにその扉を叩く勇気など、欠片も残っていなかった。
叩いた瞬間、拒まれたら。
その一回で、心が折れてしまいそうだから。
プランターに植えられた、可憐な花々の前に腰を下ろす。
土の匂い。葉の瑞々しさ。
指先でそっと触れた花弁の薄さが、私の心みたいに頼りない。
「……いっぱい、咲いてる」



