最初は目を開く余裕すらなかった。
けれど、ある日気がついた。旦那様の胸元にある蔦を模したような刺青に。
それは、刺青かどうかも怪しい。
「……やっぱり、刺青の形が変わっている……?」
眠る旦那様の胸元に刻まれている刺青に手を伸ばす。
先ほどまで、胸元から首筋まで伸びていた、刺青が今は胸元に留まっている。
その刺青に触れようとした瞬間、手首を掴まれる。
「……これが気になるか?」
「っ! 申し訳ありません。起こしてしまい……その、苦しそうに見えたもので……」
「苦しそう、か。毒婦が俺の身を案じる良妻のフリでも始めたのか」
その言葉に、顔がかっと熱くなる。
言葉のまま、旦那様の上に跨り見下ろす。
そうだ、私は毒婦であるからこそ、ここにいられる。
旦那様の身を案じるなど、毒婦らしくない。
「……そうです。私は毒婦です。旦那様がいなくなったら、誰が私のこの生活を維持するのですか」
薄明かりの中、旦那様の表情は見えない。
きっと私が傷付いてることも、旦那様には見えない。
「なら、案じる必要はない」
「いいえ、困ります」
けれど、ある日気がついた。旦那様の胸元にある蔦を模したような刺青に。
それは、刺青かどうかも怪しい。
「……やっぱり、刺青の形が変わっている……?」
眠る旦那様の胸元に刻まれている刺青に手を伸ばす。
先ほどまで、胸元から首筋まで伸びていた、刺青が今は胸元に留まっている。
その刺青に触れようとした瞬間、手首を掴まれる。
「……これが気になるか?」
「っ! 申し訳ありません。起こしてしまい……その、苦しそうに見えたもので……」
「苦しそう、か。毒婦が俺の身を案じる良妻のフリでも始めたのか」
その言葉に、顔がかっと熱くなる。
言葉のまま、旦那様の上に跨り見下ろす。
そうだ、私は毒婦であるからこそ、ここにいられる。
旦那様の身を案じるなど、毒婦らしくない。
「……そうです。私は毒婦です。旦那様がいなくなったら、誰が私のこの生活を維持するのですか」
薄明かりの中、旦那様の表情は見えない。
きっと私が傷付いてることも、旦那様には見えない。
「なら、案じる必要はない」
「いいえ、困ります」



