毒婦の嫁入り~妹に騙された姉は、呪われた軍神の契約花嫁として求められる~

「お前が安土一の毒婦(どくふ)か」

黒紋付きの男は、婚礼の間とは思えぬ冷えた声でそう言った。
その言葉に胸が軋んでくる。
何一つ事実ではないけれど、ここを追い出され家に戻されたところで、残る行き先はより酷いところに違いない。

一か月前の宴、あの日。私、安土(あづち)深幸(みゆき)は毒婦になった。