学校付属のチャペルまで戻ってびっくりした。
そこには被服部のメンバーだけでなく、大勢の生徒が集まっていた。他校の生徒、それに中学生らしき姿も見受けられる。
教会内のセレモニーのやり直しは勘弁してもらったが、ハルと私、陽向と怜のツーショットからお姫様抱っこの再現まで要求された。イケメン二人組は、ツタの絡まるチャペルを背景に色々なポーズで写真を撮られ、挙句の果てには、女子生徒たちを一人ずつお姫様抱っこする撮影会が始まり、長蛇の列ができていた。
私とハルがその光景を並んで見ていると、三人の人影が近づいて来た。
振袖姿の校長先生と、先生の従妹にあたる桜羽夏鈴前生徒会長……もう一人の男性は?
「ああ、そういえば初対面か、今後、『愛スタイル・アプリ』の改良でも世話になると思うから紹介しておくよ。この人は、元生徒会長の『榊原賢也……さん』だ」
「榊原先輩……ということは」
ハルがまた目を輝かせた。彼女に顔を近づけ、夏鈴先輩がささやく。
「そう、遥ねえさまのカレシだ」
「キャー!」
生徒会長として紹介された私に榊原先輩がお詫びの言葉を述べた。
「すみませんね、せっかく素晴らしいステージだったのに、校長先生がハックしてしまって」
なんであんたが謝るんだよ、と夏鈴先輩に突っ込まれて頭を掻いているが、榊原先輩もウチの男子役員に負けず劣らずイケメンだ。どうやら紙吹雪のあと片づけを命じられていたのは、この方らしい。
榊原先輩は、校長先生に呼ばれ、『振袖姿のお姫様抱っこ』写真につき合わされていた……
私やハルも引っ張り出され、生徒たち(なぜか女子ばかり……)との撮影会も一通り終わると、ツカツカと夏鈴先輩が寄ってきた。
「会長、たっての頼みがあるんだけどさ」
「なんでしょう?」
「いや、私のまわりにあまりいないからさ……」
「?」
「しかも、女の子同士、男の子同士のダブルで」
ますますわからない。
「色々と話を聞かせてもらってだな」
「え?」
「モデルになって欲しいんだ……小説の」
「だって夏鈴先輩……『ばかりんさくら』さんが書いてるのって、その……エロ小説じゃ?」
「その通り」
「謹んでお断りします」
レボリューションは、起こしただけでは、なんにもならない。
これから私たち四人は、自分たちの力で物語を綴らなくてはいけないのだ。
(了)



