十四人の卒業アルバム  ~君がついた優しい嘘は、七つのきら星になって~


寄稿のお願い

「寄稿」って書いちゃったけど、ちょっと大げさかな?

 いきなり、インスタでDMを送っちゃってごめんね。知らない人から届いたからびっくりしたでしょう? それでもこのノートを手に取って見てくれて、ありがとう!

 あ、DMにも書いたけど、ボクはアサヒって言います。はじめましての人は、はじめまして!
つい最近までこの学校の図書委員長をやっていました。
 それだからってわけじゃないけどね、前のページに名前を挙げさせてもらったみんなにお願いがあるんだ。

 みんなにはね、この学校でこれから体験することをこのノートに書いて欲しいんだ。

 なんでかって?
 そう、協力してもらうには、その理由をちゃんと話しとかなくちゃいけないよね。

一つ目。

 まず、なんでここに名前を書かせてもらった七人か?

 ……それはね、ちょっと説明が難しいんだけど、君たちは、たぶん色々と悩みを抱えていると思うんだ。だれでも悩みはあるって? そりゃそうなんだけどね、ボクには何人かの仲間がいてね、その子たちが抱えている悩みと君たちの悩みがピタッと一致するんだ。だからね、その悩みを分かち合いたいっていうのが、君たち選ばれた理由。

二つ目。

 じゃあ、いったいこのノートに、なにを書けばいいのか?

 一つ目の理由と関係があるんだけどね、君たちはこれから新しい仲間と出会います。それはいつ、どこ、だれ? って思うだろうけど、まあ楽しみにしといて。


 きっとね、その子たちと忘れられない体験をすると思う。だから、それをここに書きとめて残しておいてほしいんだ。

この流れで、三つ目。

 そもそも、なんでこのノートに書き残さなくちゃいけないかって?

 これはね、ボクとボクの仲間たちからの切なるお願い! 
 ちょっとぼやかした言い方になっちゃうけど、この学校を卒業するために、『この記録』がどうしても必要なんだ。それって卒業するための単位みたいなものかって? うん、そう思ってもらってもいいよ。

 もちろん、ここに書き綴られたお話はきっと君たちにとっても、大切な思い出になるんだって信じている。
 このノートは、これが置いてある場所―これからマドカに置いてもらうんだけど―から自由に取り出して見たり書いたりできるから、ぜひ、みんなで共有してくれたら嬉しいなあ。

 こんな理由なんだけど、ぜひご協力をお願いします。

 あと、最後に約束ごとみたいなのを少しだけ。

 最初に「寄稿」なんて大げさに書いちゃったけど、ほんと、気楽に書いてね。多分よく知らない生徒同士だけど、これから友達になるみんなとの交換日記だと思って。

 だから、かっこつけないで、ありのままに。嬉しいこと、悲しいこと……ボクへの不満、怒りなんかもぶっちゃけてね。

 あと、このノートに書いてあることは、七人、いやボクの仲間も含めて、十四人だけの秘密にしといてね。

 あ、忘れてた。この『内緒のプロジェクト』には、保健室の瀬川ちゃんと、古文と書道の山村美鈴先生にも随分とお世話になって、協力してもらってるんだ。だから、二人ともこのノートがどこにあるかを知ってるし、たまに読みに来たりするかもしれない。
 大丈夫。この二人の先生は、ボクたちのことをよくわかってくれる味方だから。
もし困ったことがあったら、ぜひ相談してみて。

 あー、随分長くなっちゃった!
 ボクからはこれくらいかな。

 じゃあ、トップバッターのマドカ、文字数も内容も自由だから、どーんと書いてみよう!

 そのあと、みんなが書く順番が来たら、それぞれボクから知らせるからね。

 あ、書いたら、この図書室の書架に『琥珀ヶ丘女子高等学校の歴史』っていう小さなコーナーがあって、そこに周年誌が何冊か立ててあるんだけど、その隣の『資料集』っていう書類ボックスに入れといてくれるかな。こんなの誰も見ないから、置場所として都合がいいんだ。よろしくね。

 この交換日記が完成したら、多分いいことがあると思う。だから楽しみに待っててね。

 では、またね!