この本を最後まで読んでくださった皆様へ。
そして、この物語の原型となるお話を交換日記に紡いでくださった皆様へ。
改めまして、琥珀ヶ丘女子高等学校の元・養護教諭、瀬川夕香です。
この物語は、一冊の薄ピンク色のキャンパスノートのリレーから始まりました。
不登校だった少女、コンクールのオーディションに破れたクラリネット吹き、プールの底で水の精に出会ったスイマー、親友とのラリーを続けたテニス部員、自分らしさとギャルマインドを探し求めた少女、人物画を描くことを恐れた美術部員、そして高校に未練を残した、学食で働く女の子。
大人である私は、山村美鈴先生の力をお借りし、ただ保健室から見守り、時折ほんの少しだけ背中を押したに過ぎません。この奇跡の物語を完成させたのは、間違いなく、あなたたち自身の「生きたい」「誰かと繋がりたい」という強い願いでした。
あなたたちが、時には涙で文字を滲ませながら、少しずつ書き繋いでくれた、みんなの思いがキラリと輝く交換日記。これ自体がすでに読み応えのある青春ストーリーでした。それを『七つのきら星』になぞらえ、小説のような体裁に整えたのが、この物語です。と言うと、私が書いたように聞こえてしまいますが、メインの書き手が存在します。
それは、ずっと昔の図書室に置き去りにされていた、私自身の小さな未練。
「誰かと一緒に物語を創りたい」と願いながら、勇気が出せずに透明なまま、ときを止めていた、かつての私――「朝陽(アサヒ)」です。
この本は、大人になった私が、過去の自分……アサヒを救済するためのプロジェクトでもあったのです。そんな個人的な企みにみなさんを巻きこんでしまって申し訳なく思っています。
みなさんが、かけがえのない友人と出会い、大切な時間を過ごすことができたと思っていただけたら、それがせめてもの救いです。
◇ ◇ ◇
やあ、みんな! 元図書委員長のアサヒだよ。
瀬川ちゃん……もとい、大人になったボクが堅苦しい挨拶をしちゃったから、ボクからは手短に。
ボクはね、昔マドカにこう言ったんだ。「物語は『おしまい』ってなるのがさみしいから、ずっとお気に入りの場所から読み返すんだ」って。
でも、マドカやみんなが教えてくれた。
物語は、終わるからこそ美しいんだって。そして、本にしてしまえば、表紙を開くたびに、いつでもまた図書室で、音楽室で、街角で、星空の下で、みんなに会えるんだって。
この本は、ボクたち十四人の女の子がついた『優しい嘘』の結晶です。
長年の夢を叶えてくれたマドカ、そしてみんな、本当にありがとう! 最高の共作(セッション)ができたよ!
(夕香)
今、私は新しい学校に赴任する準備の傍ら、この原稿を書いています。
もし、あなたが今、暗闇の中で迷っていたり、一人ぼっちだと感じていたりするなら。
(アサヒ)
思い出してほしい。キミの隣には、目には見えなくても、キミのことを想って『優しい嘘』をついてくれる誰かが、きっといるってことを。
(夕香・アサヒ)
そして、この本を開いてくれた「十五人目のあなた」にも! 心からの感謝と、祝福を込めて。
瀬川 朝陽・夕香
(了)




