あらくも、みやびに

それは、甘さが喉に絡みつくようで。

「お酒飲むの?」
グラスを用意する君に、聞いた。
「うん。おつまみを貰ってさ。一緒に飲む?」
「私、ナッツ食べれやんからいい。」
私はふるふると首を振る。君は、そっか、とだけ言い、爽やかな色味の酒をグラスに移した。ぷつぷつと炭酸がグラスを満たす。私は、君の晩酌に付き合ってあげようと、理由をつけて、デザートになるものを探す。バクン、と少し乱暴に冷蔵庫を開けた。
「アイス、下に入れてるんじゃない?」
君がグラス片手に、私の後ろから冷蔵庫をのぞいた。しゃがみこんで、冷凍庫をあけると、買っておいたままになっているアイス。採用だ。私は満足気にアイスとスプーンを手に取り、君の隣に座った。
「前に座れば?」
「ここでいい。」
いつもは目の前に座って、その日の出来事を君に話す私が、隣に座ったことに疑問をもつ君。
「今日はね…」
「ん。」
いつものように話し始める私。たまに話しすぎて乾く口をアイスで濡らす。ふと、居心地の悪さを感じた。チラリと横を見る。すると、酒の熱が入った君の蕩けた目。隣に座っているのに、わざわざ私の方に体を向けて、こちらを見ている。愛おしそうな目にくらくらして落ち着かない。にこ、と余裕のある笑みが、私を追い詰めるから。アイスを食べてるはずの顔が熱い。私は袖を伸ばして目を隠した。
「…あんまり…見やんといて…。」
そう言って、アイスを嚥下する。甘い緊張に、きゅう、と喉が鳴いた。