あらくも、みやびに

君は、優しい幸せな世界で生きるべきだ。
僕を幸せな気持ちにさせてくれる君だから。表情豊かで、可愛くて、とても繊細な君だから。僕に素敵な世界を見せてくれる君だから。世界が君にチクチクすると、僕の心が壊れていく。僕が頭を掻きむしり、君は平気な顔をするけれど、君が平気なわけがない。ちっぽけで、力のない僕は、世界を変えることが出来ないくせに、君の世界を祈ってしまう。大声で叫んだら、君の世界を更に歪めてしまうから。本当は全てを壊して作り直したい。
あぁ、優しく幸せな世界を君に。君だけのために、用意できないか。
君が柔らかく微笑む陽だまりを、君が声を出して笑える青空を。空気は、わたがしのように甘く軽く、子守唄のような風が吹き抜ける。そんな何もかもを君のためにした世界でのんびりと君が幸せに過ごすのを世界の端から見たいんだ。言葉の棘が君を刺す、勝手な気持ちが君の世界を歪める。この世界が汚くてごめんなさい。繊細で聡い君だから、全て知っているんだろう。知って尚、君がどう思うのか、それは僕には分からない。僕のいる世界を君が嫌いにならないことを願っている。優しく幸せな世界を用意できない無能な僕。ただ、このどうにも変わらない世界で、君がゆっくり深呼吸を出来ることを祈る。