第142話 コンタクトレンズケースで近づく距離
(魚座君♂x山羊座ちゃん♀)
帰り道の夕焼け、保健室は静かで、日差しがまぶしかった。菜月は指先をそっと押さえ、息を短く吐いた。
潤は椅子を引いて隣に座り、「気持ち、わかる」と言いかけて、声の大きさを半分にする。
机の上にはコンタクトレンズケース。先生の説明より先に、潤は菜月の表情を見て、無理をさせたくないと思った。
作業の途中、潤のスマホが鳴った。画面の通知を見た菜月は、一瞬だけ黙る。昨日の返事が来ていないままだったことを思い出したのだ。
潤は慌てて説明しようとして、言葉が絡まる。そこでコンタクトレンズケースを持ち上げ、「今はこれを一緒にやりたい」と言い直した。逃げずに言い切ったのが、自分でも意外だった。
菜月は深呼吸して、最後の片づけまで手を抜かない。二人で手を動かし、コンタクトレンズケースが役目を終えるころには、空気の角が丸くなっていた。最後に潤が「送れてなかった」と画面を見せると、菜月は「じゃあ、今日の分は目の前で言う」と笑い、短く「好き」と言った。
終わったあと、二人は自販機の前で立ち止まった。菜月が「今日は助かった」と言うと、潤は照れたように頬をかき、「次はもっと上手くやれる」と返した。缶の温度が手のひらに移って、言葉も少し柔らかくなる。
終わったあと、二人は自販機の前で立ち止まった。菜月が「今日は助かった」と言うと、潤は照れたように頬をかき、「次はもっと上手くやれる」と返した。缶の温度が手のひらに移って、言葉も少し柔らかくなる。
帰り道、潤は「次は菜月のやりたいことを先に聞く」と言った。菜月は少し考えてから、コンタクトレンズケースを軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の時間が、少しだけ増えた。
【終】
(魚座君♂x山羊座ちゃん♀)
帰り道の夕焼け、保健室は静かで、日差しがまぶしかった。菜月は指先をそっと押さえ、息を短く吐いた。
潤は椅子を引いて隣に座り、「気持ち、わかる」と言いかけて、声の大きさを半分にする。
机の上にはコンタクトレンズケース。先生の説明より先に、潤は菜月の表情を見て、無理をさせたくないと思った。
作業の途中、潤のスマホが鳴った。画面の通知を見た菜月は、一瞬だけ黙る。昨日の返事が来ていないままだったことを思い出したのだ。
潤は慌てて説明しようとして、言葉が絡まる。そこでコンタクトレンズケースを持ち上げ、「今はこれを一緒にやりたい」と言い直した。逃げずに言い切ったのが、自分でも意外だった。
菜月は深呼吸して、最後の片づけまで手を抜かない。二人で手を動かし、コンタクトレンズケースが役目を終えるころには、空気の角が丸くなっていた。最後に潤が「送れてなかった」と画面を見せると、菜月は「じゃあ、今日の分は目の前で言う」と笑い、短く「好き」と言った。
終わったあと、二人は自販機の前で立ち止まった。菜月が「今日は助かった」と言うと、潤は照れたように頬をかき、「次はもっと上手くやれる」と返した。缶の温度が手のひらに移って、言葉も少し柔らかくなる。
終わったあと、二人は自販機の前で立ち止まった。菜月が「今日は助かった」と言うと、潤は照れたように頬をかき、「次はもっと上手くやれる」と返した。缶の温度が手のひらに移って、言葉も少し柔らかくなる。
帰り道、潤は「次は菜月のやりたいことを先に聞く」と言った。菜月は少し考えてから、コンタクトレンズケースを軽く振って合図する。「じゃあ、また一緒に使おう」。その一言で、二人の時間が、少しだけ増えた。
【終】


