「自分の生き様に、他人から文句を言われる筋合いなんてないのにって、その時からずっと思ってるんです」
女性の言葉に、私も先生も同時にはっと固まる。
そうだ……Xで私たちの行動にたくさんのアンチの声が湧いた。でも、その人たちはみんな、顔も知らない人たちだ。よく知らない人たちからの罵声にいちいち耳を澄ませて、傷つかなくていい——この女性がそう教えてくれたような気がした。
羽美先生も同じことを思ったのか、表情を固めたまま押し黙っている。
「……と思っていても、どうしても気にしちゃいますけどね」
女性は、ふふと、眉を下げて笑いながら私たちを交互に見つめた。
「どうしたら……気にしないで済むと思いますか?」
押し黙ったままの先生の代わりに、私は気になったことを訊いた。
気にしちゃだめ、気にするだけ無駄だと分かっていても、人は気にしてしまうもの。昔からネガティブな人の心の声が聞こえていた私は、どうしても気にしなくていいことまで気にしてしまう。
女性は、瞬きを数度繰り返しながら、やがてこう呟いた。
「そうねえ、まずは自分の信念を持つこと。それから意識して、気にしない回数を少しずつ増やしていくしかないでしょうねえ」
女性の言葉には、彼女のこれまでの人生経験がたくさん詰まっていて、すとんと私の胸に響いた。先生も同じだったのか、何かを考え込むような素ぶりをして女性を見つめていた。
相変わらず何も言わない先生の代わりに、私は「ありがとうございました」と女性の頭を下げた。
「あの、私たち今、#五感の旅というコンセプトで旅をしているんです。今話してくださったことを、匿名でSNSに投稿させていただいてもよろしいでしょうか?」
女性は、“SNS”と聞いて驚いたのか、一瞬瞳を瞬かせたあと、「え、ええ」と頷いた。
「SNSのことはあまりよく分からないけれど、匿名なら問題ないわよ」
「ありがとうございます!」
「旅をしていらっしゃるのね。たくさんの出会いがあるといいわね」
シワの刻まれた女性の目元がすっと細められて、可愛い孫を送り出すような優しいまなざしになった。私は、女性が教えてくれた“信念を持つこと”、“気にしない回数を少しずつ増やしていくこと”という言葉を心の中に留めて、女性とお別れをした。
女性の言葉に、私も先生も同時にはっと固まる。
そうだ……Xで私たちの行動にたくさんのアンチの声が湧いた。でも、その人たちはみんな、顔も知らない人たちだ。よく知らない人たちからの罵声にいちいち耳を澄ませて、傷つかなくていい——この女性がそう教えてくれたような気がした。
羽美先生も同じことを思ったのか、表情を固めたまま押し黙っている。
「……と思っていても、どうしても気にしちゃいますけどね」
女性は、ふふと、眉を下げて笑いながら私たちを交互に見つめた。
「どうしたら……気にしないで済むと思いますか?」
押し黙ったままの先生の代わりに、私は気になったことを訊いた。
気にしちゃだめ、気にするだけ無駄だと分かっていても、人は気にしてしまうもの。昔からネガティブな人の心の声が聞こえていた私は、どうしても気にしなくていいことまで気にしてしまう。
女性は、瞬きを数度繰り返しながら、やがてこう呟いた。
「そうねえ、まずは自分の信念を持つこと。それから意識して、気にしない回数を少しずつ増やしていくしかないでしょうねえ」
女性の言葉には、彼女のこれまでの人生経験がたくさん詰まっていて、すとんと私の胸に響いた。先生も同じだったのか、何かを考え込むような素ぶりをして女性を見つめていた。
相変わらず何も言わない先生の代わりに、私は「ありがとうございました」と女性の頭を下げた。
「あの、私たち今、#五感の旅というコンセプトで旅をしているんです。今話してくださったことを、匿名でSNSに投稿させていただいてもよろしいでしょうか?」
女性は、“SNS”と聞いて驚いたのか、一瞬瞳を瞬かせたあと、「え、ええ」と頷いた。
「SNSのことはあまりよく分からないけれど、匿名なら問題ないわよ」
「ありがとうございます!」
「旅をしていらっしゃるのね。たくさんの出会いがあるといいわね」
シワの刻まれた女性の目元がすっと細められて、可愛い孫を送り出すような優しいまなざしになった。私は、女性が教えてくれた“信念を持つこと”、“気にしない回数を少しずつ増やしていくこと”という言葉を心の中に留めて、女性とお別れをした。



