傷だらけの私たちの#五感の旅 ーあの日閉じ込めた心の声ー

 高校二年生の夏休みが目前に迫った七月下旬のある日。学校から帰宅した私は、自宅のマンションのポストを開けると、宛先不明の空色の封筒が入っているのを見つけた。

峰島(みねじま)青葉様】

(私宛?)

 手紙をくれるような友達なんていなくて、誰からだろうと封筒を裏返す。
 だがその封筒には送り主の記載がなかった。
 おまけにしっかりと糊付けされていて、すぐに開けることができない。
 仕方がないので自宅へと持ち帰り、自分の部屋で封を切った。
 封筒の中には何の変哲もない無地の便箋が一枚と、ハガキサイズの厚紙が一枚入っていた。
 好奇心に突き動かされた私は、ひとまず便箋をそっと開く。



 【十五日間の《心の声を聞く旅》に出よ。#五感の旅】

(は……?)

 心の中で驚きの声を上げる。
 心の声を聞く旅?
 いったい何の話?
 何かのいたずらだろうか。このハッシュタグ——“#五感の旅“というのも謎めいていて何が何だかよく分からない。
 理解が追いつかないまま、さらに厚紙のほうに視線を移す。
 白地にエメラルドグリーンの四角い枠線がデザインされたその紙には、パソコンで印刷した文字で『旅カードNo.1』と書かれていた。