Vivid Red Examination

 二次試験1週間前。空き教室でユーショーと勉強していた俺は、焦りのあまり頭を抱えてのけ反る。ボロい椅子がガタンと壊れそうに鳴った。

「やべー、なんかどうすりゃいいかわかんねえ。焦ってて何から手つけたらいいか……」

 俺の言葉にユーショーはチラリとこちらを見て、シャーペンを回しながら言う。

「――まあわからんでもないがな。だが……」

 突然ユーショーは立ち上がった。椅子が盛大にひっくり返る。俺はびっくりしてやつをを見上げる。

「今やるべきは、いずれ必ずやってくる試験日を震え怯えて待つことではない!」

 ビシッと人差し指を俺の方に出し、格好つけるユーショー。

「いや、なに決め台詞っぽく言っちゃってんだよ」
「でも実際そうだろ。どうしようどうしようって焦って立ち止まるよりか、とりあえずでも手動かし続けた方が点数は上がんだから」
「まあ、確かに?」

 俺はシャー芯をしまってもう一度出し直す。

「……やるかぁ」