「これが本当に掲示板に貼られていたんでしょうか?」
「いえ……そんなはずは。おかしいな……私が見た時はちゃんと読めたのですが。なんで文字化けしてるんだろう」
田村さんが、困惑した表情でスマホに映し出された画像を凝視する。自分の目がおかしくなっているのではない。私も田村さんも、確かにそのお知らせの内容を理解することができなかった。
「タイトルと下の日付の部分、“RESIDENCE SAKAE ONE”、管理人の名前のところは文字化けしていませんね」
「確かに……」
貼り紙の内容とは関係のない箇所だけ読めるのが、なんだか逆に恐ろしく感じてしまう。
「私は北本さんか島原さんがつくったんだと思ってたのですが、違いますよね?」
「え、はい。違いますよ?」
「ですよねえ。じゃあ、島原さんかしら。あの人なら勝手に私たちの名前を書きそうだなと」
「まあ、それはそうかもしれませんけど。それにしても“調整”ってなんのことでしょうね」
「まったく見当もつきませんね」
二人で疑問をぶつけ合っても、何も埒があかない。
田村さんのスマホがスリープ状態になり画面が暗くなったところで、私たちはようやくスマホから目を離した。
「また島原さんにも聞いてみますね。彼がつくったなら、文字化けしている理由もこの貼り紙の意図も教えてくれるでしょうから」
田村さんは「それでは」と私に小さくお辞儀をして仕事を終えて帰っていった。
遠ざかっていく彼女の背中を見守りながら、きっと島原さんが何かを教えてくれることはないのだと、うっすらと感じていた。
長年生きてきた勘というやつだろうか。
あの貼り紙は……島原さんがつくったものではないだろう。
根拠ないけれど、アレに関しては、何も考えないほうが良い気がしたのだ。
「いえ……そんなはずは。おかしいな……私が見た時はちゃんと読めたのですが。なんで文字化けしてるんだろう」
田村さんが、困惑した表情でスマホに映し出された画像を凝視する。自分の目がおかしくなっているのではない。私も田村さんも、確かにそのお知らせの内容を理解することができなかった。
「タイトルと下の日付の部分、“RESIDENCE SAKAE ONE”、管理人の名前のところは文字化けしていませんね」
「確かに……」
貼り紙の内容とは関係のない箇所だけ読めるのが、なんだか逆に恐ろしく感じてしまう。
「私は北本さんか島原さんがつくったんだと思ってたのですが、違いますよね?」
「え、はい。違いますよ?」
「ですよねえ。じゃあ、島原さんかしら。あの人なら勝手に私たちの名前を書きそうだなと」
「まあ、それはそうかもしれませんけど。それにしても“調整”ってなんのことでしょうね」
「まったく見当もつきませんね」
二人で疑問をぶつけ合っても、何も埒があかない。
田村さんのスマホがスリープ状態になり画面が暗くなったところで、私たちはようやくスマホから目を離した。
「また島原さんにも聞いてみますね。彼がつくったなら、文字化けしている理由もこの貼り紙の意図も教えてくれるでしょうから」
田村さんは「それでは」と私に小さくお辞儀をして仕事を終えて帰っていった。
遠ざかっていく彼女の背中を見守りながら、きっと島原さんが何かを教えてくれることはないのだと、うっすらと感じていた。
長年生きてきた勘というやつだろうか。
あの貼り紙は……島原さんがつくったものではないだろう。
根拠ないけれど、アレに関しては、何も考えないほうが良い気がしたのだ。



