▶第4話 シナリオ
〇月城の庭/昼
足かせを付けられ、今日も海梨の玩具として海梨に付き従う愛梨
今日も華やかな着物を着る海梨に対して、愛梨はみすぼらしい格好をしている
樹音「海梨、曲が完成したよ」
海梨の音紡ぎである赤星樹音が、海梨に譜を渡す
海梨「ありがとう、樹音」
愛梨(音紡ぎは、視た音を譜にすることができる)
愛梨(完成した歌を、巫女姫に捧げる)
樹音「これは僕に与えられた使命だ」
樹音「気にすることはないよ」
海梨の額に口づける樹音
愛梨(巫女姫と音紡ぎは切り離せない関係)
樹音「せっかくなら、歌を聞かせてくれないか」
海梨「ええ、喜んで」
神に捧げる歌を唄う海梨
まだ蕾だった庭の花が咲き始める
樹音「驚いた」
樹音「命を咲かせる歌か」
海梨「この花を、樹音に」
咲いたばかりの花をむしり取り、樹音へと渡そうとする海梨
樹音「美しい」
樹音「そこの価値なしには、到底できないことだ」
蚊帳の外へと追い出されていた愛梨だったが、突然、音紡ぎの樹音から視線を向けられる
海梨「ええ、お姉さまには無理よね」
鎖を引っ張られ、バランスを崩してしまう愛梨
樹音「巫女姫になれない月城の少女を生かすなんて」
樹音「海梨は本当に優しいな」
海梨がむしり取った花には棘があり、その棘を愛梨の肌に突き刺す樹音
愛梨「っ」
樹音「君が巫女姫なら、海梨の負担は減った」
樹音「海梨は、こんなにも民に尽くしているのに」
樹音「どうして君は海梨に負担を強いるんだ」
花の棘を利用して、愛梨の肌に傷跡をつける樹音
樹音「何もかも海梨に押しつけるなんて……」
樹音「海梨にもしものことがあったら、すべて君のせいだ」
愛梨「っ!」
痛みを堪えきれなかった愛梨が声を漏らしそうになると、愛梨は海梨に鋭い視線を向けられる
海梨「樹音のやったことが気に入らないの?」
愛梨「違う……」
海梨「これは愛情よ! 価値なしのお姉さまを躾けるための愛情……」
海梨が愛梨に手を挙げようとしたところに、愛梨と海梨の両親が姿を見せる
父親「価値なしの嫁ぎ先が決まった」
父親「鳳条様の長男が、ぜひとも価値なしを嫁に欲しいとおっしゃってくれた」
母親「これで、害虫【愛梨】を花【海梨】から引き離すことができるわ」
娘の嫁ぎ先が決まったはずなのに、この場に愛梨を祝福する者はいなかった
〇月城の屋敷/庭/昼
愛梨「お待ちください! もう少し時間を……」
両親に縋ろうとするが、海梨に足かせに繋がれた鎖を引かれて思うように動けなくなる愛梨
海梨「お父様とお母様に逆らうつもり?」
愛梨(まだ足りない)
海梨「価値なしに、価値を与えてあげようとしてるのよ?」
海梨「どうして、お父様とお母様の気持ちを理解しないの?」
愛梨(まだ、償えてない)
海梨「旦那様に喜んでもらえるように、もっともっと躾けてあげないと」
にっこりと微笑んで、自分の正義感を振りかざす海梨
愛梨(私はまだ、何もできてない……)
〇月城の屋敷/庭/夜
夜空に無数の星が散らばる時間帯
寒空の中、藍梨は母から水桶を投げつけられる
母親「この世はね、子を残せぬ娘に価値はないの」
愛梨(家族の存続や家名の維持が、とても大切にされている時代)
母親「体力をつければ、きっと鳳条様に気に入ってもらえるわ」
愛梨(家を守るためには、後継ぎが必要不可欠)
愛梨(世継ぎを育てることが、女性に与えられた役割と責任)
体を強くするという名目で冷たい水を浴びる愛梨
肌を刺すような痛みが鋭すぎて、愛梨は涙も溢れてこない
海梨「丈夫になってね、お姉さま」
何度も何度も母親と妹から水桶をぶつけられ、愛梨の周辺には水溜まりができあがる
水面に映る自分の表情を確認しようとすると、氷のような水が再び頭上から降り注いでくる
母親「月城に尽くしなさい! 鳳条のため、立派な世継ぎを残しなさいっ!」
冷たい水に耐えきれず、膝が崩れる愛梨
母親「あなたみたいな価値なしがいるから、私はいつも責められるの……」
海梨「お母様、体を冷やしてはいけないわ。早く休みましょう」
母親「優しい子に産まれてきてくれてありがとう、海梨」
海梨「ほんと役立たずなお姉さま」
灯籠の淡い明かりが揺れる
母と妹の影が遠ざかっていくのが視界に入り、ようやく水浴びの時間が終わるのだと安堵する愛梨
愛梨「私だって……まともに生きたかった……」
愛梨「悔しい……悔しいよ……」
愛梨(家族は、ずっと家族……)
渓「月城愛梨さん、ですね」
きちんと結ばれたネクタイと、茶色の背広をまとった鳳条渓が愛梨の前の姿を見せる
愛梨「……どちら様ですか」
愛梨「母と妹がいなくなるのを見計らっていたのですか」
裕福そうな身なりの渓が、月城の敷地を自由に歩き回る不可解さに怯みそうになる
渓「愛梨さん、大丈夫ですか?」
愛梨「近寄らないでください……」
渓「僕は、あなたの婚約者ですよ」
愛梨「鳳条、の……?」
使用人も護衛も、渓の傍にいないことに違和感を抱く愛梨
愛梨「今、両親を呼んでまいりま……っ」
渓「二人きりで、お話しませんか」
強い力で右腕を掴まれる愛梨は手首に痛みが走る
渓「ご両親は、僕が来ることを承知済みです」
愛梨「離して……」
渓「あなたを買ったのは、この鳳条の当主である僕ですよ?」
愛梨「買っ、た……?」
渓「いわゆる政略結婚というものです」
渓「私の欲を満たしてくれる若い娘なら、それだけで十分価値がある」
渓は朗らかな笑みを崩すことがないのに、その笑顔に愛梨は少しも安心感を抱くことができない
愛梨(ずっと、価値があるという言葉に惹かれてきた)
渓「良かったですね。価値があると声をかけてもらえて」
愛梨(でも、実際に落とされた言葉は、酷く冷たいものだった)
渓「こんなにも美しい愛梨さんが、僕の嫁になってくれるなんて」
渓「神も、私を見捨てなかったということか」
冷たい石畳の上に、体を押し倒される愛梨
水が撒かれた石畳が背に当たり、愛梨を水の冷たさが襲う
渓「鳳条の人形として、大切に大切に扱ってあげます」
空から、ぽつりぽつりと雨が降り始めた。
渓「女性として産まれてきた幸福を、私がきちんと教えてあげますからね」
愛梨の肌へと触れるために、手を伸ばしてくる渓
渓「声は我慢しないこと」
渓「僕は、素直に声を出してくれた方が好み……だ」
蓮「気持ち悪いこと、言わないでください」
渓の背後から、長刀が突き出す
渓「っ、あ……」
蓮「鳳条の名、返してもらいます」
渓の体に刃物が突き刺さったが、体から血が噴き出てこない
渓の体から黒い煙のように揺れる影が溢れ、渓は跡形もなく砂のように散った
蓮「すみません、遅くなって」
渓を貫いた刀が、蓮の鞘に納められる
蓮から、手を差し出される愛梨
蓮「あー……、人を斬った手は触りたくないですよね」
やや長めの前髪で、蓮は自分の表情を隠す
蓮「脅威は去ったので、好きなとこに行ってください」
蓮「鳳条との婚約の件も、破棄する手筈……」
蓮に、手を伸ばす愛梨
蓮「……かっこ悪いですね」
蓮「女性の扱いとか……そういうの、慣れてなくて……」
愛梨の指が、蓮の指へと触れる
蓮の手で愛梨は手を掴まれ、強い力で引き寄せられた愛梨は体を起こしてもらう
愛梨「蓮さ……」
繋いだ手を離される愛梨
蓮「怖かったでしょう? 無理に口を開く必要は……っ」
呼吸が荒い蓮を不審に思う愛梨
愛梨「蓮、さ……」
愛梨(生きることを、無意味だと思ってきた)
愛梨「蓮、さん……」
愛梨(未来は、変わらないと思ってた)
愛梨「蓮さんっ」
呼吸を落ち着けようと試みながら、愛梨の目線の高さになるように屈む蓮
愛梨「っ」
蓮の人差し指が、愛梨の唇に触れる
蓮「礼を言ってもらえるようなことはしてません」
蓮「怖がらせる前に」
愛梨の唇に触れていた蓮の指が、愛梨の目元へと移動する
蓮「泣かせる前に」
雨が愛梨の涙を隠していたはずが、蓮の人差し指は愛梨の涙を拭っていく
蓮「助けなきゃいけなかった」
愛梨「っ、うっ」
何度も何度も涙を拭う愛梨
蓮「紫藤蓮」
蓮「もうひとつの名を鳳条蓮と申します」
蓮「鳳条を名乗る者として、詫びさせてください」
蓮「愛梨様の心を傷つけて、申し訳ございませんでした」
蓮は雨に濡れた愛梨の髪を振り払う
蓮「月城愛梨様」
蓮「誘拐されてください」
蓮「鳳条家に、愛梨様を迎え入れたい」
雨に濡れながらも、蓮は朗らかな笑みを浮かべる
〇月城の庭/昼
足かせを付けられ、今日も海梨の玩具として海梨に付き従う愛梨
今日も華やかな着物を着る海梨に対して、愛梨はみすぼらしい格好をしている
樹音「海梨、曲が完成したよ」
海梨の音紡ぎである赤星樹音が、海梨に譜を渡す
海梨「ありがとう、樹音」
愛梨(音紡ぎは、視た音を譜にすることができる)
愛梨(完成した歌を、巫女姫に捧げる)
樹音「これは僕に与えられた使命だ」
樹音「気にすることはないよ」
海梨の額に口づける樹音
愛梨(巫女姫と音紡ぎは切り離せない関係)
樹音「せっかくなら、歌を聞かせてくれないか」
海梨「ええ、喜んで」
神に捧げる歌を唄う海梨
まだ蕾だった庭の花が咲き始める
樹音「驚いた」
樹音「命を咲かせる歌か」
海梨「この花を、樹音に」
咲いたばかりの花をむしり取り、樹音へと渡そうとする海梨
樹音「美しい」
樹音「そこの価値なしには、到底できないことだ」
蚊帳の外へと追い出されていた愛梨だったが、突然、音紡ぎの樹音から視線を向けられる
海梨「ええ、お姉さまには無理よね」
鎖を引っ張られ、バランスを崩してしまう愛梨
樹音「巫女姫になれない月城の少女を生かすなんて」
樹音「海梨は本当に優しいな」
海梨がむしり取った花には棘があり、その棘を愛梨の肌に突き刺す樹音
愛梨「っ」
樹音「君が巫女姫なら、海梨の負担は減った」
樹音「海梨は、こんなにも民に尽くしているのに」
樹音「どうして君は海梨に負担を強いるんだ」
花の棘を利用して、愛梨の肌に傷跡をつける樹音
樹音「何もかも海梨に押しつけるなんて……」
樹音「海梨にもしものことがあったら、すべて君のせいだ」
愛梨「っ!」
痛みを堪えきれなかった愛梨が声を漏らしそうになると、愛梨は海梨に鋭い視線を向けられる
海梨「樹音のやったことが気に入らないの?」
愛梨「違う……」
海梨「これは愛情よ! 価値なしのお姉さまを躾けるための愛情……」
海梨が愛梨に手を挙げようとしたところに、愛梨と海梨の両親が姿を見せる
父親「価値なしの嫁ぎ先が決まった」
父親「鳳条様の長男が、ぜひとも価値なしを嫁に欲しいとおっしゃってくれた」
母親「これで、害虫【愛梨】を花【海梨】から引き離すことができるわ」
娘の嫁ぎ先が決まったはずなのに、この場に愛梨を祝福する者はいなかった
〇月城の屋敷/庭/昼
愛梨「お待ちください! もう少し時間を……」
両親に縋ろうとするが、海梨に足かせに繋がれた鎖を引かれて思うように動けなくなる愛梨
海梨「お父様とお母様に逆らうつもり?」
愛梨(まだ足りない)
海梨「価値なしに、価値を与えてあげようとしてるのよ?」
海梨「どうして、お父様とお母様の気持ちを理解しないの?」
愛梨(まだ、償えてない)
海梨「旦那様に喜んでもらえるように、もっともっと躾けてあげないと」
にっこりと微笑んで、自分の正義感を振りかざす海梨
愛梨(私はまだ、何もできてない……)
〇月城の屋敷/庭/夜
夜空に無数の星が散らばる時間帯
寒空の中、藍梨は母から水桶を投げつけられる
母親「この世はね、子を残せぬ娘に価値はないの」
愛梨(家族の存続や家名の維持が、とても大切にされている時代)
母親「体力をつければ、きっと鳳条様に気に入ってもらえるわ」
愛梨(家を守るためには、後継ぎが必要不可欠)
愛梨(世継ぎを育てることが、女性に与えられた役割と責任)
体を強くするという名目で冷たい水を浴びる愛梨
肌を刺すような痛みが鋭すぎて、愛梨は涙も溢れてこない
海梨「丈夫になってね、お姉さま」
何度も何度も母親と妹から水桶をぶつけられ、愛梨の周辺には水溜まりができあがる
水面に映る自分の表情を確認しようとすると、氷のような水が再び頭上から降り注いでくる
母親「月城に尽くしなさい! 鳳条のため、立派な世継ぎを残しなさいっ!」
冷たい水に耐えきれず、膝が崩れる愛梨
母親「あなたみたいな価値なしがいるから、私はいつも責められるの……」
海梨「お母様、体を冷やしてはいけないわ。早く休みましょう」
母親「優しい子に産まれてきてくれてありがとう、海梨」
海梨「ほんと役立たずなお姉さま」
灯籠の淡い明かりが揺れる
母と妹の影が遠ざかっていくのが視界に入り、ようやく水浴びの時間が終わるのだと安堵する愛梨
愛梨「私だって……まともに生きたかった……」
愛梨「悔しい……悔しいよ……」
愛梨(家族は、ずっと家族……)
渓「月城愛梨さん、ですね」
きちんと結ばれたネクタイと、茶色の背広をまとった鳳条渓が愛梨の前の姿を見せる
愛梨「……どちら様ですか」
愛梨「母と妹がいなくなるのを見計らっていたのですか」
裕福そうな身なりの渓が、月城の敷地を自由に歩き回る不可解さに怯みそうになる
渓「愛梨さん、大丈夫ですか?」
愛梨「近寄らないでください……」
渓「僕は、あなたの婚約者ですよ」
愛梨「鳳条、の……?」
使用人も護衛も、渓の傍にいないことに違和感を抱く愛梨
愛梨「今、両親を呼んでまいりま……っ」
渓「二人きりで、お話しませんか」
強い力で右腕を掴まれる愛梨は手首に痛みが走る
渓「ご両親は、僕が来ることを承知済みです」
愛梨「離して……」
渓「あなたを買ったのは、この鳳条の当主である僕ですよ?」
愛梨「買っ、た……?」
渓「いわゆる政略結婚というものです」
渓「私の欲を満たしてくれる若い娘なら、それだけで十分価値がある」
渓は朗らかな笑みを崩すことがないのに、その笑顔に愛梨は少しも安心感を抱くことができない
愛梨(ずっと、価値があるという言葉に惹かれてきた)
渓「良かったですね。価値があると声をかけてもらえて」
愛梨(でも、実際に落とされた言葉は、酷く冷たいものだった)
渓「こんなにも美しい愛梨さんが、僕の嫁になってくれるなんて」
渓「神も、私を見捨てなかったということか」
冷たい石畳の上に、体を押し倒される愛梨
水が撒かれた石畳が背に当たり、愛梨を水の冷たさが襲う
渓「鳳条の人形として、大切に大切に扱ってあげます」
空から、ぽつりぽつりと雨が降り始めた。
渓「女性として産まれてきた幸福を、私がきちんと教えてあげますからね」
愛梨の肌へと触れるために、手を伸ばしてくる渓
渓「声は我慢しないこと」
渓「僕は、素直に声を出してくれた方が好み……だ」
蓮「気持ち悪いこと、言わないでください」
渓の背後から、長刀が突き出す
渓「っ、あ……」
蓮「鳳条の名、返してもらいます」
渓の体に刃物が突き刺さったが、体から血が噴き出てこない
渓の体から黒い煙のように揺れる影が溢れ、渓は跡形もなく砂のように散った
蓮「すみません、遅くなって」
渓を貫いた刀が、蓮の鞘に納められる
蓮から、手を差し出される愛梨
蓮「あー……、人を斬った手は触りたくないですよね」
やや長めの前髪で、蓮は自分の表情を隠す
蓮「脅威は去ったので、好きなとこに行ってください」
蓮「鳳条との婚約の件も、破棄する手筈……」
蓮に、手を伸ばす愛梨
蓮「……かっこ悪いですね」
蓮「女性の扱いとか……そういうの、慣れてなくて……」
愛梨の指が、蓮の指へと触れる
蓮の手で愛梨は手を掴まれ、強い力で引き寄せられた愛梨は体を起こしてもらう
愛梨「蓮さ……」
繋いだ手を離される愛梨
蓮「怖かったでしょう? 無理に口を開く必要は……っ」
呼吸が荒い蓮を不審に思う愛梨
愛梨「蓮、さ……」
愛梨(生きることを、無意味だと思ってきた)
愛梨「蓮、さん……」
愛梨(未来は、変わらないと思ってた)
愛梨「蓮さんっ」
呼吸を落ち着けようと試みながら、愛梨の目線の高さになるように屈む蓮
愛梨「っ」
蓮の人差し指が、愛梨の唇に触れる
蓮「礼を言ってもらえるようなことはしてません」
蓮「怖がらせる前に」
愛梨の唇に触れていた蓮の指が、愛梨の目元へと移動する
蓮「泣かせる前に」
雨が愛梨の涙を隠していたはずが、蓮の人差し指は愛梨の涙を拭っていく
蓮「助けなきゃいけなかった」
愛梨「っ、うっ」
何度も何度も涙を拭う愛梨
蓮「紫藤蓮」
蓮「もうひとつの名を鳳条蓮と申します」
蓮「鳳条を名乗る者として、詫びさせてください」
蓮「愛梨様の心を傷つけて、申し訳ございませんでした」
蓮は雨に濡れた愛梨の髪を振り払う
蓮「月城愛梨様」
蓮「誘拐されてください」
蓮「鳳条家に、愛梨様を迎え入れたい」
雨に濡れながらも、蓮は朗らかな笑みを浮かべる



